因縁

どうやら自分は担保物権とは因縁があるよう。

担保物権っていうのは、抵当権や質権に代表されるある債権を担保するためにつけられる物権のこと。要は人質ならぬ物質。払えなかったらそれを金に変えちまうぜという代物。


自分はこの担保物権法が学部のころから苦手だった。大学で一番悪かったのもこれ。苦手な理由はいくらでも思い付くけど、要は理解できてないの一言に尽きる。



院に来て再び息詰まった。以前よりはずいぶん理解したはずだがまだ足りない。



師曰く「ここが一番難しいところ。これが分かれば全て分かる」。
聞いたのにどうもしっくりこない。話してもいまいち噛み合わない。
またしても立ちふさがるか、担物。


おそらくこの分野は独学であれば永久に解けなかった、というより理解する前提が理解できなかったと思う。それぐらいこの分野には興味がなかった。


指導教員がこれの専門で、かつ信頼に足る人物で、興味を持てたのは幸いだった。
院に来たのは、これを解くために来たんじゃないかとすら思えて来る。

立ちふさがるは最大の壁。いずれ超えねばならぬ壁。




この問題完全にぶっつぶそう。それが運命だと思った。